採点:70点
良かったところ(なぜ良かったか)
- つかみが良い。死体を引っ張る男。なにもの?
- 3人の若者の強盗団のシロウト強盗という感じと個々の特性(性格的な差異)が冒頭短時間にうまくまとめられている。
- 女性の主人公の動機がしっかり描かれている。「なんのために?」という強い動機がなければ見るものの心を掴まないし、キャラクターの言動にも説得力が生まれない。
- テントウムシ。他にはないキーポイント。気になる伏線。
- 被害者と加害者と思われていた立場が一気に逆転するシーン。そうしてこの老人は一体何者なんだという点に見るものの関心が絞られる。
- 「目が見えない相手に見つからないように逃げる」というのがこの映画のツボだ。そのスリル・ドキドキ感がたまらない(だたの脱出劇ではなく独特のスパイスとアクセントがある)。
- 加害者の娘に自分の子供を産ませて償わせるという飛び抜けた異常性。
- 脱出できると安心した瞬間にいきなり襲われる・つかまってしまうシーンが多く描かれている。こうしたホラーものは、いかに見ているものをハラハラドキドキさせるか、という点に重点がおかれる。
良くなかったところ(どうすればもっと良くなるか)
- 誰が一番最初の犠牲になるか、誰が最後に残るか、キャラクターごとの先行きが(ラストシーンも)ある程度読めてしまう点。お約束的な安心感はあるが。
- 地下室に幽閉されている女性が、幽閉されている感じではなく、さっきまでリビングで寛いでいたような感じなところ(異常性を描くために女性が丸坊主にされているとかビジュアル的なインパクトをつけたほうがいい)。
- 地下牢の真っ暗な中で戦うシーン。座頭市のような老人。実際に座頭市からヒントを得たのかもしれない。
- 老人が完全な異常者ではなく、娘を失ったことによる動機で動いており、どこか同情できてしまう点(しかしこれが、主人公の動機もあるので中和されている点はよい)。
- いかにも2を予感させるラストなため、スッキリしない感じが残る。
- ドント・ブリーズって、せめて息を殺してとかでもいいので、適当な邦題のサブタイトルを付けられなかったのか。
- てんとう虫の伏線を踏まえて、最後に理性を取り戻して通報してという点はよいが、結局お金持って逃げているのはどうなのか。
雑感
- 虫と少女という点で、フェノミナ的な雰囲気あり。オマージュか?
- 老人の見た目がマッチョなマイケル・マクドナルドみたいだ。
- エンディングロールが独特。