採点・総評:90点
- 核となるアイデアと年輪を刻んだイーストウッドの絶妙の組み合わせ。
- 派手さはないが、染み入る面白さ。
- 「結局は時間だ。なんでも買えるけど時間は買えないものだ」名言だ。
- 家族がいる人は定年退職する前に見ておこう。
良かったところ
- 結末が気になる。最後まで見させるための「惹きの力」がある。
- 90歳に近い超高齢者が、麻薬の運び屋家業をはじめる。この唯一無二のアイデアが(ギャップによるインパクトの強さが)この作品の最大の魅力である。
- やはり「他にはないアイデア」というのは強みになる。
- まさかこの老人が、と誰もが思う、優秀な捜査官の目も欺く。ギャップによるカモフラージュで捜査が混乱するところは、この映画のアイデアだからこそ出てくる面白さだ。
- 家族・マフィア・警察。信頼と裏切り。
- 家族より仕事を優先してきたことを後悔している男。運びや家業で命の危険もある中で家族のための(妻の死を看取るための)最後の選択肢を迫られる。さらに捜査の手も寸前まで迫ってきている状況。これまでの伏線が効果的にぜんぶ噛み合ったラストへの持っていき方になっていてすごいと思った。
良くなかったところ
- イーストウッドでなければ、作品として成立したか微妙。
- 麻薬の運び屋をやっていたという事実に(最後まで主人公の勝手で犯罪者の家族にまでさせられたという事実に)娘と孫の態度が変わらなかったのは、少し違和感を感じた。