キャリー:2013年リメイク版(映画レビュー)

採点・総評:90点

  • 面白い。そして悲しい。

良かったところ

  • 他の作品でも思ったが、強い抑圧・虐待を受けた者、逆境に置かれた者の「復讐」という筋書きは見ている者に強烈なカタルシス体験を与える、創作するうえで格好のテーマだ。
  • 復讐だけではない「強い感情」こそ作品の核のテーマとして据えるべきものなのだ(友情も愛情もその逆も)。
  • 狂気に満ちた、心を病んだ人物描写。
  • あらゆる人は各々の道理・各々の正義で生きている。だから悪い奴を描くときでも悪い奴というレッテルを貼ったような人物として描いてはいけない、ゲーテファウストで描かれる悪魔のように悪魔は悪魔としての道理と正義がある者として、そのまま坦々描写されるべきだ。そうした意味でイジメっ子の「私は何もしてないじゃない」というセリフは作為がなく実に良い。周りを振り回す自己本位な人間は自分はオカシイなんて思っているはずはなく常にその反対だと思っている。だからあらゆるハラスメントは決してなくならない。頭のオカシナやつほど周りがオカシクて自分は正常だと思っている。人物描写でもこの道理を描くべき。
  • 母親とイジメっ子の役者が特に素晴らしい。本当にそれとしか見えない。
  • ハイライトまでの展開が素晴らしい。上がってからの急行直下で怒りの大爆発。

良くなかったところ

  • 主人公のルックスは重要だと思うが、普通にかわいい、かわいらしすぎる。

雑感

  • 動画を撮ってさらすというイジメ方がリメイク版らしい。
  • 赤毛で癖っ毛のストレートパーマ。
  • プラムがない日本で良かった。