採点・総評:95点
- 期待を裏切らない面白さ。
良かったところ
- エスターの表情と格好。黒髪につり上がった眉毛にそばかす、そしてリボンにフリルの付いた服装。キャラクターで見せる作品なので、見た目のインパクトは重要(終盤のメイクとメイクを落としたあとの表情も秀逸)。
- エスターのその後につながる伏線をたくさん忍ばせていくところ。「こいつは何者だ?」という点でしっかりストーリーを引っ張っていくところ。
- ホラーやサスペンスものでは背後から迫る描写。何者かに襲われる可能性に対するドキドキ感を与える描写というのは鉄板。人間には「スリル欲」というのがあるようだ。それを満たしてくれる。
- 拳銃を見たときの笑み。ここから怒涛の展開。
- 正体を追求するものには容赦しない冷酷さ、凶暴性。見た目との激しいギャップ。
- まさかの思っても見なかったエスターの正体。思っても見なかったどんでん返し。
良くなかったところ
- 肝心の養子を迎える動機に弱さを感じた点。すでに子供が2人いる。たとえ一人なくしたとしてもその分の愛情は残りの二人に注げば良いのではないか? しかも養子を迎えたあとにしっかり子作りにも励んでいる可笑しさ。動機となる部分をもっと別な形でしっかり冒頭で描くべきだったように感じる。
- 最後に池の底に落ちていく姿がかわいらしい。もっとグロテスクにすべきだ。
雑感
- 向こうの子役はすごい。
- 妙に大人びた子供というのはいるものだ。それをこの作品は強調して膨らませている。日常に潜むゾッとする感じをエンハンスして作品に仕立てるやり方は他にも応用できる。
- 復讐は見る者の感情を強く掻き立てる。大きなテーマになり得る。見るもの感情を強く揺さぶることはどんな作品でも重要。
- 無能なカウンセラーの表情が腹立つ。こういう物知り顔のカウンセラーというのは本当にいそうだ。
- ワイン1本で酔いすぎだろ。