キャプテン・フィリップス(映画レビュー)

採点:90点

良かったところ

  • 徹底してリアリティを追求しているところ。冒頭のイプサムの土はねのあるボティからその姿勢が伺えたが、初めて海賊に襲われるシーンでもリアリティのある緊迫感が描けている。
  • それにしてもソマリアの海賊は本物かと思うほどリアルだ。
  • 海賊が襲ってきてからリアリティのある緊迫感を維持し続けている。見るものを画面に釘付けにする。緊迫感のある画面を維持するのはよほど作り手側が集中力を持って取り組まないとできないことだ。

良くなかったところ

  • なし

雑感

エスター(映画レビュー)

エスター (吹替版)

エスター (吹替版)

  • ベラ・ファーミガ
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採点・総評:95点

  • 期待を裏切らない面白さ。

良かったところ

  • エスターの表情と格好。黒髪につり上がった眉毛にそばかす、そしてリボンにフリルの付いた服装。キャラクターで見せる作品なので、見た目のインパクトは重要(終盤のメイクとメイクを落としたあとの表情も秀逸)。
  • エスターのその後につながる伏線をたくさん忍ばせていくところ。「こいつは何者だ?」という点でしっかりストーリーを引っ張っていくところ。
  • ホラーやサスペンスものでは背後から迫る描写。何者かに襲われる可能性に対するドキドキ感を与える描写というのは鉄板。人間には「スリル欲」というのがあるようだ。それを満たしてくれる。
  • 拳銃を見たときの笑み。ここから怒涛の展開。
  • 正体を追求するものには容赦しない冷酷さ、凶暴性。見た目との激しいギャップ。
  • まさかの思っても見なかったエスターの正体。思っても見なかったどんでん返し。

良くなかったところ

  • 肝心の養子を迎える動機に弱さを感じた点。すでに子供が2人いる。たとえ一人なくしたとしてもその分の愛情は残りの二人に注げば良いのではないか? しかも養子を迎えたあとにしっかり子作りにも励んでいる可笑しさ。動機となる部分をもっと別な形でしっかり冒頭で描くべきだったように感じる。
  • 最後に池の底に落ちていく姿がかわいらしい。もっとグロテスクにすべきだ。

雑感

  • 向こうの子役はすごい。
  • 妙に大人びた子供というのはいるものだ。それをこの作品は強調して膨らませている。日常に潜むゾッとする感じをエンハンスして作品に仕立てるやり方は他にも応用できる。
  • 復讐は見る者の感情を強く掻き立てる。大きなテーマになり得る。見るもの感情を強く揺さぶることはどんな作品でも重要。
  • 無能なカウンセラーの表情が腹立つ。こういう物知り顔のカウンセラーというのは本当にいそうだ。
  • ワイン1本で酔いすぎだろ。

トランスポーター(映画レビュー)

トランスポーター(吹替版)

トランスポーター(吹替版)

  • ジェイスン・ステイサム
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採点・総評:40点

  • キャラクター(10)世界観(10)ストーリー(5)テーマ(5)
  • アクションを重視するのであれば高評価だが、主人公のキャラクターと脚本にあまり魅力を感じない。

良かったところ

  • ジャッキーばりの体当たりのアクションシーン。
  • 老年刑事を演じた俳優のたたずまい。

良くなかったところ

  • 仕事にパーフェクトを求める几帳面な男がパンクするのはおかしい。ご都合主義の展開は興ざめさせるのでよくない。
  • 車中で飲食せず、休憩を挟むのは呑気に見える。
  • ボストンバッグに長時間詰め込まていたようにみえない。
  • 爆発物を荷物に渡されたことがすぐわかる。展開を予測させてはいけない。また運び屋のプロとして爆発物が荷物になることのリスクを予測していないというのはマヌケだ。
  • 音楽が場面に合っていない。ラップミュージックを多様し過ぎ。これは監督の趣味によるものか。
  • 細かなところがいろいろ雑。
  • 女優が色々注文をつけたのだろうか、格好が状況にそぐわずきれいすぎる。
  • 口を閉じて気絶するステイサム。
  • 主人公がトランスポーターである必然性に乏しい。

雑感

  • フランスと言えばオランジーナ。ジェイソン・ステイサムは英国人。
  • 喜多嶋舞
  • ボストンバッグからブスが出てきたら何も言わずそのまま閉じてこの映画は成り立たなかっただろう。
  • ペプシとサンドイッチ。
  • 何度剥がしても使えるテープ。
  • ぐっすり眠れば頭も冴える。
  • カツラvsハゲの構図。

エクスペンダブルズ(映画レビュー)

採点・総評:30点

  • 脚本が悪いのか、全体を通して盛り上がりに欠ける。

良かったところ

  • 教会のシーンは鳥肌モノ。ぜいたく三種盛りだ。
  • 悪事や不正を完膚なきまでにひねりつぶつ絶対的な力。これは見るものを引き付ける鉄板の要素だ。そして敵対する相手が胸糞悪くなるぐらい卑劣なほうが叩き潰したときの爽快感が相対的に高くなる。

良くなかったところ

  • 主役級だらけヒット間違いなしの映画。それぞれに見せ場はあるのだが、焦点の絞りきれていないもどかしさのようなものを感じる。
  • 敵の存在感が薄い。主役たちに比べるとどうしても見劣りしてしまう。敵対する相手にもっと存在感のある大物を当てるべきだった。あるいは主役の憎しみを掻き立てる設定が必要だった。
  • めくるめく銃撃戦・肉弾戦・カーチェイス・爆破シーンのオンパレード、だがそこに至る動機づけに乏しいのでドンパチやるがいまいち盛り上がらない。たとえパンチ一発でもそこに至る動機に共感するものがあれば大いに盛り上がるはずだ。

雑感

  • 設定がルパン三世デッドオアアライブのようだ。
  • 構図がロッキー4か、ファンサービスだ。
  • CIAはアクション映画に欠かせない要素だ。

イコライザー2(映画レビュー)

採点・総評:85点

  • 前作でファンになった人は十分満足できるだろう。
  • 文句なく面白いが、前作と比べるとやは見劣りする。

良かったところ

  • タクシードライバーという設定はよい。この作品にぴったりだ。今回はカーチェイスもある。
  • 相変わらずスカッとした気持ちにさせてくれる。敵となる相手が最低最悪(このクソ野郎がと思ってしまうような奴ら)であるからこそ際立つ爽快さだ。明暗が濃いほど主人公が引き立つ。
  • どこまでも一本気で誠実な男。見るものが主人公に惚れ込めば、その映画(作品)は成功だ。言い訳をするなチャンスを活かせ。
  • 元DIAチームメンバーが敵になる、仲間が裏切って敵になる、ありがちだが鉄板とも言える、いやが応でも盛り上がる。欲を言えば2で味方であって、3でこの展開だと余計に盛り上がったかもしれない。

良くなかったところ

  • 髪の毛がある。なぜ坊主にしなかったのか。キャラクターはトレードマークになる見た目も大切だ。
  • 黒幕がかなり早い段階でわかってしまった。
  • 前作の悪役の(俳優の)凄さに比べるをかなり見劣りする。
  • 人質を取ったら初めから使わないとおかしい。
  • やはり前作同様ラスボスではやや苦戦。それまでが完璧なのでややご都合主義の違和感を感じる。

雑感

  • CIA・DIAは殺しのプロか?
  • 「お前は何者だ」のお約束は変わらず。

イコライザー(映画レビュー)

採点・総評:98点

  • 主人公がかっこいい。うまく出来た勧善懲悪もので胸がスカッとする。座頭市を見ているようだ。デンゼル・ワシントンの表情が良い。
  • 2点分は、何か一押し、あとひと味、何なのかわからないが足りない気がする。

良かったところ

  • 冒頭の淡々とした日常風景。主人公の几帳面で生真面目な性格が、格好や言動や動作など細かなところで(余計な説明など一切入れず)うまく描写されている(冒頭以外にも、設定した主人公の性格を要所要所でうまく出している。たとえば、乗り込んだ先の相手のデスクにあるオブジェクトを揃える動作など。こういった細部をしっかり描くことでキャラクターがそして作品世界が本当に生きてくるのがわかる)。
  • 登場人物の会話でストーリーが進む点は、まるでヘミングウェイの小説を読んでいるようだ。
  • 几帳面な男が几帳面な男のまま、相手の陣地に乗り込んで一瞬で相手を片付けてしまうところ。「こいつは何者だ?」見ているものは最後まで釘付けだ。この時点でこの映画は成功している。作品世界に引き込むためのメリハリがよく出来ている。
  • 勧善懲悪ものは敵対する相手が中途半端ではつまらなくなる。そうした意味で極悪冷徹な相手役がうまく描けている。俳優の表情も実に良い。
  • 心優しく力持ち、主人公はやはりこうであったほしい。敵対する相手との対比も見事だ。
  • 一人で戦う構図もかっこいい。
  • 傷口を淡々と自分で応急処置する姿もかっこいい。
  • 最後が勤務先のホームセンターというのもよい。
  • 最後にラスボスまで攻め込んでいく、徹底しているのがいい。

良くなかったところ

  • 完全無欠の主人公がボスに打たれるシーンが少し納得いかない。もっと頷ける展開にしてほしかった。
  • 中ボス?大ボスでいきなり苦戦するのがどうも納得いかない。

雑感

  • 金槌は商品棚に戻さないで。
  • 坊主はかっこいい。座頭市も坊主だ。坊主バンザイ。
  • マッコール、ニコライ、ラルフィー、

クワイエット・プレイス(映画レビュー)

採点:5点

  • まぬけな主人公。設定に対するいい加減さ。こっちまで眠くなるような静かなシーンの連続。

良かったところ

  • 最後に銃声でいっきにエイリアンが集まってくるシーン。

良くなかったところ

  • 冒頭のつかみが弱いので、はじまりはクワイエット・プレイスじゃなくて、そこに入っていく流れか、時系列を並行して進める形が良かったかもしれない。
  • その後も静かな流れは続くので見ていて飽きる。
  • 静かな映画はつまらない。
  • 静かにしてなければならない、子供は生きていけない、それなのに子供を作る。妊婦と赤ん坊という極限状況を作りたいのだろうけれど、この状況で赤ん坊を作るのは自殺行為だろう。なんだこのまぬけな主人公(夫婦)は、と思ってしまう。そのせいか(作為丸見えなので)出産シーンも思わず笑ってしまった。
  • 肝心の設定に対していい加減なので興ざめする。子供が手話を理解できているのがおかしい。新聞を印刷するのは相当な音だろう。
  • 感情爆発おじいちゃんは笑ってしまう。
  • 釘は引っ込めておこう。
  • 女の子がミッキー・ドレンツみたいで全くかわいくない。
  • 音楽を聞いて夫婦がダンスをするシーン、いらない。
  • 花火の音を立てて救い出すのをなぜわざわざ自分の子供にさせるのか? お前がやれと思ってしまう。
  • エイリアンのデザインに進歩がない。

雑感

  • とうもろこし貯蔵庫はこわい。