採点:70点
良かったところ
- 冒頭から「おっ?なんだ?」と思わせる・惹きつけるというのは、どんな作品でも必要だ。一気に観客を作品世界に引き込む力がある。
- なにかから逃げる、追走劇が導入シーンの鉄板。
- 取り調べのシーン。何かおかしな感じが視覚的に具現化されていく。さらに見るものを引き込む。むずむずする急所を狙うへそからというのもツボだ。
- 万人向けしないマニアックな作品だ。一歩間違えればB級作品になりそうな飛躍的な発想に基づく複雑で重厚な世界観で構築されている。そうした世界観を説得力のある脚本と魅力的なビジュアルで表現できているのが、この作品のもっとも評価されるべき点だろう(裏を返せばビジュアルが弱いと見るに耐えない映画になりうる紙一重の作品ともいえる)。
- 裏切り者の存在はいつでも作品を盛り上げてくれる。
- ボスとのバトルシーンからの追走劇、仮想現実と現実での危機が並走してながら駆け抜けるラストシーン。すべての点が線になりながらラストに向けてどんどん盛り上げていく。
- 無機質な感じに偏りがちな作品世界で、最後のキスシーンはそれをうまく補ってバランスよく仕立てるうえで重要な役割を果たしている。
良くなかったところ
- 夢か現実かという世界観は卵が先か鳥が先かというようなもので答えがない。そもそも虚構の世界を描く映画なので、その中で夢か現実かという話をされるとわけがわからなくなって、極論すべて夢オチにしてしまえるような作品になってしまう(つまりすべてはアンダーソンの夢というオチもありえるわけだ)。そうした中でも没入して楽しめるかどうかは個人の好みによるだろう。
- 「カンフーを覚えた」には笑ってしまった。
- 裏切り者の死に方があっけない。
メモ
- マトリックスとは仮想空間。コンピュータが(AIが)人間を支配するための(発電用の人間を養うための)仮想空間(プログラミングコード)。そこ(マトリックス)から飛び出しそこに入りそこを抜け出すための闘い。
- ネオ(トーマス・A・アンダーソン)、トリニティ、モーフィアス(主要人物)
- エイポップ、スイッチ、サイファ、タンク、ドーザ、マウス(仲間)
- エージェント・スミス(敵のボス?)
- スクイティ(敵の兵士)
- ザイオン(人間の都市:AIが支配する世界に生きる人間たちのシェルター)
- EMP(電磁パルス:敵に対する唯一の武器)